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思春期の恋とヘラヤガラは紙一重。

まっさん

〜ヘラヤガラのウブな?求愛行動を観察してみた〜

皆さんこんにちは。まっさんです。

時は高校時代。
増田はクラスのイケメン男子に呼び出されました。
「あのさ、まっさん、話があるんだけど」
「改まってどうしたの?」
「まっさんの友達の〇〇って彼氏いる?」
〜私じゃないんかーい!〜
こんなやり取り、経験がある方もいるんじゃないでしょうか!(あってくれ)
今回は、そんなお話です。


夏の伊東ではいろんな魚がザワザワと産卵をしています。

その中でも私は、普段ぼーっとしているヤガラたちに釘付けになってしまいました。

ヘラヤガラの交接にまつわる文献を見つけられなかったため、
今回は観察の結果を偏見を交えて(※ここ重要)
レポートしていきますね!

(お借りしたお写真)

君たちは何しているの?と思うほどぼーーっとしているヤガラたち。

大体いつも、頭を下にして縦向きに浮いているヤガラと、岩陰で挟まるようにして隠れているヤガラがいます。
※イメージ画像

すると、岩陰に隠れていたヤガラが、突然、縦向きに浮いているヤガラに近づき、お腹をチョンっと触ろうとしました。
おそらく行動的には、前者がメス、後者がオスなのでしょう。


チョンっと触るのは交接の兆し。
これは交接が始まるのでは!と思い見ていると、
触れるか触れないかのところで、オスらしい個体は岩の影に戻ってしまいました。




「え?いかないの?行きなよ!!」
それはまるで、親友に恋している男友達の背中を押すような気持ち。8月の水中から、高校時代の教室に戻ったかのような光景。
絶対両思いだよ!頑張れ!

そしてしばらくするとまた岩陰から出てくるヤガラ。
そしてまたお腹をちょんちょんっとして、すぐ岩陰に戻ります。
チョンッとされると少し逃げるそぶりをするメス。(だが完全には逃げない)

これを何度も繰り返します。


さながら、クラスでちょっとやんちゃな男子が気になる女子にちょっかいを出してしまうような。
女子も嫌がってる風だけどまんざらでもないような。
でも友達だから、なかなかそこを越えられないような。


こういうのは何気に外野で見ているのも楽しいものです。

と、ニヤニヤしているのも束の間。
青春時代の恋にはライバルがつきもの。
今度は別のヤガラが岩陰から現れ、
チョンッとアプローチを始めました。


「あんた!隣のクラスのやつが告白してるよ!それでもいいの!?」

もどかしさを感じていたその時
アツい恋のバトルは突然火蓋が切られるのです!

ずっと奥手だった2匹のオスが、突然メスに向かって飛び出したかと思うと
急にガツガツお腹を突いて追いかけまわし始めました!
めちゃくちゃ逃げるメス。さっきの奥手な彼らはどこに行ったんだ?という勢いのオス2匹。
「ちょっと!いきなりガツガツいくと引くって!やめときなよ!!」


私の声も虚しく、オスたちの動きは止まりません。

うん。。そうだった。。
思春期の恋も
始まるまでは時間がかかるのに、一度始まると歯止めが効かないんだよな。。(何がとは書きません)

安全停止前から安全停止が終わってもなお、普段のおっとりした風貌からは想像がつかないほどにガツガツ追いかけ回していました。
(その後の姿は残念ながらタイムアップで見れず。。)
〜まとめ〜
今回の観察では、
行動からメスと思われる個体が縦向きに泳いでいるところに
行動からオスと思われる個体が岩陰から飛び出して、メスのお腹を突き、再び岩陰に隠れる
この一連の動作を繰り返したのちに、2匹のオスでメスを追いかけてお腹をつつく、取り合うような動きが確認された。
また、アプローチの際に、オスの体が黒くなることを確認した。
産卵の様子は確認できなかったため引き続き観察していきます!

〜終わりに〜
始まるまでが慎重なのに、始まると一瞬で燃え上がる。
ヤガラが青春時代に似ているのではなく
青春時代の恋が、ある意味野生的なのかもしれませんね。
ぜひ青春時代のあの子のことを思い出しながら観察してください。

奥手なあの頃の恋愛は嫌いじゃなかったです。
(今はとっととゴール決めたい)

調査日:2023.8.8 10:00頃 水温22.4度
ポイント:伊東 五島根南 ブイ下

【次回予告】
ヘラヤガラはなんと、他の生物の背後をとることがあるとか、、、
次回は最新の文献をもとに(最新すぎて今回の記事に載せ損ねました)伊東の海のヘラヤガラを観察した結果をご報告します!
たくさんいただいたお写真もそちらに載せさせてもらいます!
更新がんばるぞ〜

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